サイバーセキュリティシンポジウム道後2019(SEC道後)

開催趣意

  サイバー空間と実(フィジカル)空間を高度に融合させることにより、経済的発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society5.0)の実現が期待されています。

  こうしたなか、政府はサイバー空間と実空間の一体化の進展に伴う脅威の深刻化や、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会等を見据えた新たな戦略の必要性からサイバーセキュリティ戦略を2018年7月に閣議決定しました。

  私たちは、実空間の家電、自動車、ロボット、スマートメーター等の様々なモノからインターネットを通してサイバー空間とつながりをもつことで両空間が融合した社会で活動しています。実空間においてセンサやデバイスを介して生成された大量のデータをサイバー空間において集積・分析、さらに活用することは、付加価値をつけた新たな製品やサービスが生まれて社会に定着するという循環の形成や日常生活や経済活動に変革をもたらすイノベーションをけん引するとともに、サイバー空間と実空間の融合に勢いを与えています。

  こうした社会では、豊かさがもたらされる反面、一方ではサイバー空間のリスクや脅威も増してくることも明らかであり、実空間のセキュリティと同様の安全性を追求すべきことは言うまでもなく、誤った対応は多大な経済的・社会的な損失が発生する可能性を高めます。実際にIoT、仮想通貨を含むFintech、重要インフラ、サプライチェーンを狙った攻撃等により、情報漏えいに加えて、直接的な金銭被害、業務・サービス障害が国内外で生じ、経済社会の持続的な発展や国民生活の安全・安心等を脅かす事案が発生しています。

  サイバーセキュリティシンポジウム道後実行委員会では、情報セキュリティの重要性について広く普及・促進を図り、また、地域におけるICTセキュリティ関係の人材育成に繋げるため、毎年全国のサイバーセキュリティ関係者を幅広く招聘し、シンポジウム(SEC道後)を開催しています。

  8回目となるSEC道後2019では、「サイバー空間と実空間の融合社会とセキュリティ」をテーマに、進展するサイバー空間と実(フィジカル)空間が融合した社会の展望とそこから見えてくるセキュリティのあり方について、国のサイバーセキュリティ政策、技術・法制度や事例など多様な側面から最新の事情を学び、議論を深め、対策等につなげる機会にしたいと考えています。

  また、講演に加え、議論の場や懇談の場を提供することで、参加者同士の連携を深めるとともに、人的なネットワークを形成し、日本における先進的なサイバーセキュリティに関わる様々な情報発信の場を提供します。

  こうした取り組みによって、安全で便利な高度情報通信社会の構築と地域の発展に役立てばと考えており、ご支援を賜れば幸いです。

2018年10月
サイバーセキュリティシンポジウム道後実行委員会 委員長
愛媛大学大学院 教授 小林 真也



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